このシミュレーションの二重振り子
ここでの二重振り子は、同じ質量の2つの質点を、同じ長さの質量のない2本の棒につなぎ、摩擦をなくしたものです。2つの角度はどちらも真下の向きから測ります。となる単位を使うと、時間の単位はです。静止して真下に垂れた状態を基準にした、高さによるエネルギーは
ここでは、好きな姿勢から静かに手を離したり、ほぼ同じ1,000個の振り子を同時に放したりして、どの初期状態で棒が真上を越えられ、どの初期状態で実際に越えるのかを見られます。
初期設定では、下の棒の初期角度を100万分の1ラジアンの範囲に広げた1,000個の振り子を同時に放します。太い線があなたの振り子で、軌跡はその下のおもりを追います。小さな表示には、高さと運動の間でやり取りされても総量が変わらないエネルギーと、2つの角度の時間変化が描かれます。棒が真上を越えるたびに赤い点が付きます。
運動方程式は厳密で、ランダムな要素はありません。同じ初期状態なら、いつも同じ運動になります。それでも初期設定の(120°, 60°)から始めると、までに最も遠い下のおもりは、あなたのおもりから棒の長さの0.1倍を超えて離れ、振り子の束はやがて明らかに違う運動へと広がります。精度を上げても得られる時間はわずかです。この初期状態では、ごく小さな差は小さいうち、時間が3進むごとにおよそ倍になります。下の棒の角度の幅をラジアンに狭めても、離れ始める時刻が約56に延びるだけです。小さな振れの(30°, 30°)からでは、同じ束はまでほとんど離れません。
小さな振動は規則的です。角度が小さいと方程式は線形になり、2本の棒が共通のリズムで振れる2つの基準振動を持ちます。
遅いモードでは2本の棒が同じ向きに、速いモードでは逆向きに振れます。小さな振動はどれも、この2つを重ねたものです。
エネルギーは動ける範囲を区切ります。摩擦がなければ全エネルギーは一定で、運動のエネルギーは負になりません。したがって振り子が取れるのはを満たす姿勢だけです。下の棒が真上を向くにはが少なくとも2、上の棒なら少なくとも4必要です。小さな表示のエネルギーバーにある2つの目盛りはこの値です。静止状態から放す振り子のエネルギーは初期姿勢の高さによるエネルギーなので、
これはシミュレーションではなく証明です。エネルギーが2と4の間なら下の棒だけが真上を越えられ、4より大きければ両方とも越えられます。ただし十分なエネルギーは越えることを可能にするだけで、実際に越えるとは限りません。初期姿勢マップの青い破線は、あなたの初期姿勢と高さによるエネルギーがちょうど同じ姿勢を示します。
初期姿勢マップは、静止状態から放すすべての初期姿勢を一度に示します。横軸が上の棒の角度、縦軸が下の棒の角度で、真下に垂れた姿勢が中央です。色付きのマスは、どちらかの棒が初めて真上を越える時刻を表します。斜線の外にある無色のマスは、表示された時刻までまだ越えていません。表示は最大まで進みます。斜線部分はエネルギーによって越えることが禁じられた領域です。斜線から遠い場所では色が幅広い帯になり、近くでは細かな粒状になります。そこでは隣り合う初期姿勢からでも、越える時刻が大きく違います。この粒状の模様は初期状態への敏感さから生じるため、遅い時刻の通過について表示される時間は近似値です。
このマップが示すのは最初に真上を越える時刻だけで、どこがカオス的かを示す地図ではありません。カオスには真上を越える動きは必要ありません。このページの検証では、エネルギーが2未満の多くの初期状態でも、すでにカオス的に振る舞います。
注目する点
- 実際の二重振り子は止まります。ここでは摩擦がなく、エネルギーはいつまでも保たれますが、実際の振り子は遅くなり、最後には真下に垂れて止まります。