この図で見る減衰
減衰は、エネルギーが失われて振動が小さくなる現象です。ばねとダンパーにつながれた物体は に従います。固有角振動数 と減衰比 を使うと と書けます。減衰比が1未満なら不足減衰(振動する)、1なら臨界減衰、1より大きければ過減衰(ゆっくり戻る)です。鉛直につるした場合、重力は平衡位置を mg/k だけ下げるだけで、x はその位置から測ります。このページでは x = 1 から静止状態で放し、減衰を強めると早く止まるかを調べます。
図の右側は根の複素平面です。2つの根の積は なので、振動している間は半径 ω₀ の円上にあります。実部 が減衰、虚部 が振動数を決めるため、減衰によって周期も長くなります。ζ = 1 で根は −ω₀ に重なります。それを越えると一方は左へ進み、もう一方は0へゆっくり戻り、ζ が大きいと約 になります。運動の最も遅い成分は のように減衰します。この減衰率 σ は最も右の根から虚軸までの距離で、ちょうど ζ = 1 で最大です。x(t) 上の青い破線は、不足減衰では包絡線 (曲線はピーク間で接します)、過減衰では遅い根の項を示します。
「止まる」には基準が必要です。このページでは、以後ずっと |x| が初期変位の1%以内に収まる最初の時刻 を使います。x(t) の下の帯はその範囲を拡大表示します。極値は にあり、 なので、どのピークが帯の外に出るかを厳密に判定できます。最後に帯へ戻る時刻は閉じた形の解に二分法を適用して求めるため、数値解として表示します。ζ を小さくして帯の外のピークが1つ増えると整定時間が遅くなり、ζ に対する の曲線は跳びます。最小になるのは臨界減衰ではなく で、最初の行き過ぎがちょうど −1% に触れます。時間は 1.057 T₀ に対して 0.667 T₀ です。臨界減衰が最速なのは x = 0 を越えない運動に限り、しかも静止状態から放した場合だけです。帯の幅を変えると ζ* も変わります(2%なら約0.780)。
注目するところ
- 「最速」には2つの意味があります。減衰率 σ はちょうど ζ = 1 で最大ですが、整定時間が最小なのはそれより少し小さい ζ* です。0.826 という入力値は ζ* とは異なり、1.0015%行き過ぎるため、整定時間は 0.896 T₀ に跳びます。このページでは ζ* を厳密に保持します。
- 大きな減衰比を2倍にすると、ゆっくり戻る時間もおよそ2倍になります。遅い根の時定数は約 c/k です。
- x(t) は3つの場合すべてで厳密解です。減衰の種類は入力された数そのもので判定するので、0.99999999999999999 は不足減衰です。シリンダー内の液体は模式的な表現です。
操作方法
- ζ のフェーダーを動かす(0.1、1、10に吸着)、分数や小数を入力する、または ζ = 1、ζ* を押して設定します。根は軌跡に沿ってドラッグでき、−ω₀ に吸着します。枝を切り替えられるのはその位置だけです。赤い時刻カーソルをドラッグすると物体が動きます。
- プレゼンテーションモードでは全画面表示になります。← → で ζ をフェーダーの1段階分変更、H で減衰率と整定時間を非表示にします。
関連項目
位相図のページにあるトレース・行列式の図では、減衰振動子は水平線 Δ = ω₀² に対応します。
- G04単振動
- G06共振準備中
- G07相図準備中
さらに読む: ウィキペディア: Damping (英語); OpenStax, University Physics Volume 1, 15.5 Damped Oscillations (英語).