この可視化で見る線積分
力の場が、AからBへの経路に沿って動く物体に力を加えます。長さの短い一歩ごとに、進行方向に沿った力の成分だけが仕事をします。ここでは単位接ベクトルです。これらを足し合わせたものが、に沿うの線積分、すなわち仕事です。
経路に沿った黄色の印はを表します。力が進行を助ける場所では塗りつぶした前向きの印、妨げる場所では中抜きの後ろ向きの印です。下のグラフは、Aから進んだ距離に対するを描きます。軸より下の斜線部分を負として数えると、赤い点Sまでの面積がここまでの仕事、全体の面積がです。線積分が、についての普通の積分になりました。
Sでは、力を経路に沿った黄色の成分と、経路に直角な淡い成分に分けています。直角な成分は仕事をしません。放射状の場で、原点を中心とする半径2の円を回ると、力の大きさは2ですが真っすぐ外を向くため、、です。仕事は、力の大きさと経路の長さを単に掛けたものではありません。向きを反転すると同じ経路を逆向きに進み、はに、はに変わります。
勾配場では、合成関数の微分法により、は一歩の間のの変化になります。Sまでの仕事はです。が連続なら、区分的に滑らかなどの経路に沿った仕事も、その両端だけで決まります。
等高線を選ぶと、式を使わずに理由が見えます。が整数となる線を描き、1本の線から1つ上の線に進むとが1増えます。したがって、その間を上る経路では、途中で滑らかに積み重なる仕事が1になります。経路がどれほど曲がりくねっても、余分な横切りは上りと下りの対になり、打ち消し合います。そのためAからBへのどの経路でも、差し引きの横切り回数は同じです。そこに両端の1未満の端数を加えたものがになります。
仕事が経路の両端だけで決まる場を保存場と呼びます。そのような場では、閉じた経路は始点に戻るので、どの閉じた経路でも仕事は0です。
回転の場にはポテンシャルがありません。からまで、上側の半円は長さの全体でなので、です。x軸上では力が経路に直角で、です。上側を回り、軸に沿って戻る閉じた経路は、の仕事をします。
らせん階段は、その中間にあります。定義されるすべての点で回転は0で、原点以外のどの点の近くでも偏角の勾配です。しかし原点を反時計回りに一周すると角度が増えるので、一周全体で使える1つの角度関数はありません。等高線は半直線で、仕事は経路に沿って連続的に追ったの変化です。原点を反時計回りに一周すると、原点を囲まない円を一周すると0です。
注目する点
- 関数を弧長について積分する線積分は、別の積分です。針金の質量を求めるように、と各一歩の長さの積を足し合わせます。逆向きに進んでも値は変わりません。
操作
- 場を切り替えても経路とSは保たれるので、同じ経路を異なる場で比較できます。ベジェ曲線のBをAまでドラッグすると、経路が閉じます。