この可視化における回転
平面ベクトル場 の回転は下式で表される数で、スカラー回転とも呼ばれます。3次元の の第3成分です。これは循環密度でもあります。ある点を囲む小さな閉路を反時計回りにたどった循環を、その閉路が囲む面積で割り、閉路をその点まで縮めた極限です。どちらの定義も、F が連続微分可能なところで成り立ちます。
黄色の目盛りは、外周に沿う流れの成分 F·T を表します。その積分 Γ が外周の循環で、Γ/(2πr²) は外周の平均角速度です。r → 0 で回転の半分に近づき、回転が線形関数ならどの r でも一致します。羽根車そのものは、滑らかな流れに置いた理想的な微小な羽根車で、角速度 で回ります。これは P を通り、その瞬間に互いに直交する2本の線素の角速度の平均です。十字の水平な線素は ∂Q/∂x、垂直な線素は −∂P/∂y で回ります。どちらか一方の角速度が ω とは限りません。せん断流 (y, 0) では垂直な線素は −1 で回り、水平な線素は回りません。
漂流では羽根車が流れに乗って移動します。通過する各点で、その点の回転の半分の角速度で回るため、移動中の累積回転角は です。半単位時間ごとの印が向きを記録します。渦 (−y, x)/(x² + y²) では、F が定義されていない原点を除いて回転はどこでも 0 です。原点を1周する羽根車は θ = 0 で戻ってきます。曲がって進む流れが反時計回りに回そうとする効果と、内側の速い流れが時計回りに回そうとする効果が打ち消し合うからです。
注目するところ
- グリーンの定理の循環形では、領域 D の境界を反時計回りにたどる積分 が に等しくなります。ただし F は D を含む開集合上で連続微分可能であることが必要です。閉路内の共有する辺に沿う循環は、隣り合う2つの区画に1回ずつ、逆の向きで寄与します。そのため、各区画の循環を足すと外周の循環になり、各区画の循環はおよそ回転と面積の積です。この閉路では各区画の中心での回転に区画の面積を掛けて足します。これは中点和で、回転が線形なら厳密に一致し、それ以外でも区画を小さくすると Γ に近づきます。
- 流線がまっすぐでも回転がある場合(せん断流、水路)があり、流線が円を描いていても回転がない場合(渦)があります。渦の中心を囲む閉路の循環は 2π ですが、内部のほかの点では回転はすべて 0 です。中心で F が定義されていないため、ここでは定理を適用できません(線積分のページのらせん階段)。目盛りが表すのは外周に沿う成分だけで、外周を横切る成分は発散の対象です。3次元では回転はベクトルとなり、対応する定理はストークスの定理になります。
- 回転は記号微分で求め、「=」は厳密な値を表します。循環はプリセットでは閉じた形の式で求め、入力した場では誤差推定付きの数値積分で求めます。漂流も、3次の場以外のプリセットでは閉じた形の式を使い、それ以外は数値積分します。印は半単位時間ごとの標本です。2つの印の間にちょうど1回転すると、印だけでは止まって見えますが、θ はすべての回転を数えています。背景の粒子は流れの向きを示すだけで、粒子の密集度に意味はありません。
操作方法
- 羽根車の中心 P をドラッグすると矢印の格子に、外周をドラッグすると ½、1、2 … に吸着します。数値を入力することもでき、P の座標は −100 から 100、r は 0.001 から 100 までです。ほかの場所をドラッグして平行移動し、表示ボタンで拡大・縮小します。羽根車か正方形の閉路を選んで場を観察します。閉路の半辺長は r で、区画数を変えられます。羽根車モードの漂流は、同じ移動の開始、一時停止、再開を行います。羽根車は画面の外でも動き続けます。一時停止後に中心を動かすと、新しい出発点が設定され、漂流を押すまで静止したままです。出発点に戻すで出発位置と向きを復元し、その移動の時間、累積回転角、軌跡を消します。P と Q の入力には + − × ÷ ^、sin、exp、ln、sqrt … を使えます。
- プレゼンテーションモードでは、プロジェクター向けの全画面表示になります。スペースキーで羽根車の漂流と一時停止を切り替え、← と → で外周を2倍、半分にします。H は羽根車の回り方を隠します。共有で、場、羽根車、表示を再現するリンクをコピーします。
関連項目
さらに読む: ウィキペディア: Curl (mathematics) (英語); OpenStax, Calculus Volume 3, 6.5 Divergence and Curl (英語); ウィキペディア: Green's theorem (英語).