この可視化で見る連立一次方程式
連立一次方程式は、複数の一次方程式を同時に成り立たせる未知数の値を求める問題です。係数を行列A、未知数をベクトルx、右辺をベクトルbにまとめると、全体をAx = bと書けます。このページでは、未知数と式の数が同じ場合、つまりx、yの2本の方程式か、x、y、zの3本の方程式を扱います。そして各連立方程式を、行と列の2通りの図で描きます。
行で読むと、係数に0でないものがあるx、yの方程式は直線で、すべての方程式を満たす点が解です。列で読むと、同じ方程式は「第1列a₁のx倍と第2列a₂のy倍を足すとbになる」と言っています。つまり、両方の図は同じ2つの数を示します。左の交点が、右でbを作る組み合わせ方です。右の図の軸①、②はそれぞれの方程式に対応しているので、その点はx、yの値ではなく右辺を表しています。
連立一次方程式の解は、ただ1つか、存在しないか、無数にあるかのいずれかです。det A ≠ 0なら、bが何であっても解はただ1つです。det A = 0なら行も列も一次従属なので、両方の図は同時に退化します。左では直線が平行になるか1本に重なります。ただし、係数がすべて0になった方程式がある場合は別です。右では列が1本の直線上に重なるため、作れない右辺が出てきます。bがそのような右辺なら方程式は互いに矛盾し、消去すると0 = 1のような成り立たない式が残ります。そうでなければ、解は無数にあります。
消去はガウス–ジョルダンの消去法を1ステップずつ実行します。元とまったく同じ解をもつ、より簡単な連立方程式に変えていきます。各ステップでは、ある式の定数倍を別の式に足すか、式を0でない数倍するか、2つの式を入れ替えます。どの操作も元に戻せるので、解が失われたり増えたりすることはありません。ある式の定数倍を別の式に足すとき、直線が交わっていれば、変化する直線は交点を中心に回転し、解は動きません。平行なら直線は無限遠へ動き、0 = cが残ります。同じ直線ならその場にとどまり、0 = 0になります。列の図で同じ操作を行うとせん断になり、組み合わせ方は変わりません。入れ替えと負の数倍は一瞬で切り替わります。徐々に行うと、解の異なる連立方程式を通過するおそれがあるからです。
解がただ1つでも、非常に敏感なことがあります。2本の直線がほぼ平行だと、右辺を0.01変えただけで交点が大きく動くことがあります。
未知数が3個のとき、係数に0でないものがある方程式は平面です。3平面の共通部分は1点、直線、平面全体、または空集合になります。どの2平面も平行でなくても、共通点がない場合があります。そのとき、各組は直線で交わり、3本の直線は三角柱の辺のように平行に並びます。2つの3D図が一緒に回転するのは比較しやすくするためで、軸が対応しているからではありません。
操作
- 解の点をドラッグすると、係数は変わらず、右辺がその点に合わせて変わります。直線をドラッグすると、向きを変えずに平行移動し、右辺だけが変わります。
- ドラッグできる点はすべて矢印キーでも動かせます。未知数が3個のときはPage UpとPage Downで第3成分を変えられます。