フラクタル · 反復関数系

カオスゲーム

カオスゲームは、ランダムに選んだ頂点に向かって、そこまでの距離の一定の割合だけ点を動かす操作を繰り返します。すべての頂点に選ばれる可能性がある限り、点はほとんど確実に同じ自己相似な図形を埋めていきます。

この可視化でのカオスゲーム

カオスゲームでは、サイコロを振るたびにv1,…,vNv_1, \dots, v_Nの中から点をランダムに1つ選び、その点までの距離のr倍だけ近づきます。つまり、次の写像のいずれかを適用します。

fi(x)=vi+s (x−vi),s=1−r,f_i(x) = v_i + s\,(x - v_i), \qquad s = 1 - r,

これらは平面をviv_iに向かってs倍に縮小する写像です。ドラゴンとシダでは、代わりにアフィン写像fi(x)=Aix+bif_i(x) = A_i x + b_iを使います。点を動かし、rを調整し、次の出目を制限したり確率を変えたりして、サイコロがどんな図形を描くか見てみましょう。

図は着地点を数えています。1つの画素に着地する点が多いほど、色が濃くなります。最後の出目は最後に選ばれた点や写像で、1つ前の出目はその前の選択で色を付けます。色が混じる場所では、異なる色の着地点が同じ画素を共有しています。

なぜ毎回同じ図形になるのでしょうか。まず、過去の出目に依存しない場合を考えます。どの写像も距離を縮めるので、同じ出目の列に従う2点は近づきます。自分自身のコピーからなる空でないコンパクト集合Kが、ただ1つ存在します。

K=f1(K)∪f2(K)∪⋯∪fN(K).K = f_1(K) \cup f_2(K) \cup \dots \cup f_N(K).

Kの中の点はどの出目でもKの中にとどまります。そのため、ゲームの点からKまでの距離は0に近づき、出発点の影響は消えていきます。

直近k回の出目は点をKの小さなコピーの近くへ運び、それ以前の出目は、その近くのどこに来るかだけを決めます。したがって、最後の出目ではN個のコピーが、1つ前の出目ではさらに小さいN2N^2個のコピーが見えます。どれも全体のコピーです。どの写像も選ばれる確率が正なら、有限の出目の列はどれもほとんど確実にいつか現れ、点はKのどの部分にも近づきます。コピー機にサイコロは要りません。図形全体を縮小したN個のコピーを作り、これを繰り返します。図形を包む外形からでもウサギからでも、同じKに近づきます。ウサギなら写像による回転や反転が分かります。

点の凸包が多角形で、そのN個のコピーが重なるとしても境界だけで、内部では重ならないとき、図形の次元は

D=log⁡Nlog⁡(1/s).D = \frac{\log N}{\log (1/s)}.

r=1/2の三角形ではD=log⁡3/log⁡2≈1.585D = \log 3/\log 2 \approx 1.585、r=2/3のカーペットではlog⁡8/log⁡3≈1.893\log 8/\log 3 \approx 1.893です。コピーが重なると、この数は上界にすぎず、ページは次元を示しません。コピーが多角形全体を覆うなら、その多角形は自分自身のコピーからできています。一意性により、それが求める図形であり、中まで埋まります。

連続同一点なしや隣接点なしでは、次の出目が直前の出目に依存します。隣接関係は点の番号で決まり、ドラッグしても変わりません。図形は最後の出目ごとに分かれ、それぞれは直前に許される部分を合わせたもののコピーになります。制限は図形そのものを変えるのです。r=1/2で同じ点を連続して選ばない正方形は、中が埋まらず、次元log⁡3/log⁡2\log 3/\log 2のフラクタルになります。

どの写像も選ばれる確率が正なら、確率を変えてもKは変わりません。変わるのはK上の着地点の分布だけです。シダは面積に応じて描かれます。確率を均等にしても葉の形は同じで、茎の点が増え、先端の点が減るだけです。

マイケル・バーンズリーの著書Fractals Everywhere(1988年)は、ランダムな出目でこうした図を描く方法を、カオスゲームという名前で広めました。

注意して見るところ

  • この名前はカオス的な力学を指すものではありません。同じ出目に従う点は近づき、初期値に対する鋭敏な依存性とは逆の動きをします。ランダムなのはサイコロだけです。
  • 図形は極限です。有限個の点や有限回の複製で得られるものは、その近似にすぎません。
  • 色の濃さは着地点の数を表し、その場所で図形が厚いという意味ではありません。光のにじみは表示上の効果です。

関連項目