幾何学 · 片側曲面

メビウスの帯

メビウスの帯は、紙帯を半回転ひねって両端を貼り合わせた曲面です。面は1つ、縁も1本しかありません。紙に描いた時計回りの矢印を1周運ぶと、反時計回りになって戻ります。

この可視化で見るメビウスの帯

図は、紙帯を半回転ずつ0、1、2、3回ひねって貼り合わせた輪です。半ひねり1回ならメビウスの帯になります。パネルの上の小さな図は、同じ紙を切り開いて平らにしたものです。塗るときは、表裏が上下2段に並びます。帯を塗り、矢印を歩かせ、切ってみることで、半ひねりの回数が奇数か偶数かだけで決まることと、回数そのもので決まることを見分けられます。

面が1つかどうかは、貼り合わせた端で表裏がどうつながるかによって決まります。半ひねりが偶数回なら表は表に、裏は裏につながり、それぞれが別々に閉じます。ローラーは自分の面を1周しても、縁を越えなければ反対の面に届きません。面は2つです。奇数回なら、表の右端が上下逆になって裏の左端につながり、表裏が2倍の長さの1本の帯になります。1周後、ローラーは出発した場所の反対の面にいて、もう1周すると表裏とも塗れます。縁を一度も越えていないので、2つに見えた面は1つなのです。

ローラーは紙を外から見ています。矢印は紙の中に描かれ、紙を透かしても見えます。紙の中に住む生き物の見方です。メビウスの帯の中心線を1周すると、矢印は出発点に戻りますが、時計回りの残像とは逆に、反時計回りになります。中心線から離れた経路なら、中心線の反対側の対応する点に着きます。ある閉じた経路をたどると時計回りが反時計回りになる曲面を、向き付け不可能な曲面といいます。通常の空間にある曲面では、これは面が片側しかないことと同じです。ただし向き付け可能性は曲面そのものの性質です。紙を離れられない生き物でも、歩くだけで確かめられます。

中心線からの距離を1にすると、矢印は縁に沿って歩きます。メビウスの帯では、1周すると反対の縁に見える場所に着き、2周して初めて戻ります。縁は1本なのです。半ひねり3回では、その1本の縁が、最も単純な結び目である三葉結び目になります。半ひねりの回数kkが偶数なら縁は2本で、k/2k/2回絡み合っています。

メビウスの帯を中央で切っても、2本には分かれません。切り口の両側の紙は、継ぎ目で上側と下側がつながり、2周する1本の長い帯になります。面は2つ、縁は2本で、縁どうしは2回絡んでいます。中心線を平面上の円にすると、1回の絡みが1回転のねじれに対応するので、長い帯には2回転のねじれがあります。

縁から幅の3分の1の位置でメビウスの帯を切ると、はさみは2周して戻ります。小さな図で中心線の両側に見える2本の線は、継ぎ目でつながる1本の切り線です。中央には細いメビウスの帯が残り、両端の細帯は1本の長い帯につながります。2つの部分は1回絡んでいます。半ひねりが偶数回の帯では、どの切り線も1周で閉じ、切るたびに部分が1つ増えます。

半ひねりの回数には、2つの役割があります。奇数か偶数かが曲面そのものを決めます。周囲の空間を考えなければ、奇数回ひねった帯はすべて、1つの面と1本の縁を持つ同じ曲面です。偶数回ひねった帯どうしも、すべて同じ曲面です。正確な回数は、その曲面が空間にどう置かれるか、つまり縁がどう絡み、どう結ばれるかを決めます。紙を自分自身に通り抜けさせない限り、空間の中で動かすだけでは、それをほどけません。

アウグスト・フェルディナント・メビウスとヨハン・ベネディクト・リスティングが、1858年にそれぞれ独立にこの帯を発見しました。

注意したいこと

  • 図の帯は、実際の紙が取る形とは違います。伸びない紙は別の曲がり方をしますが、面、縁、結び目、絡みの関係は同じです。

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