この図で見る相関
対になったデータの相関係数は、ピアソンの相関係数とも呼ばれ、点が1本の直線にどれほど沿っているかを測ります。値は−1から1で、とが一緒に増える傾向があると正になります。ここでは各点とデータの中心が長方形を作り、その辺を標準偏差で測ります。は符号付き面積の合計をで割ったものです。点をドラッグ・追加・削除したり、アンスコムの4つのデータセットや指定したから作る点群を読み込んだりできます。を−1と1の間に収める正方形も見られます。
は何を測るのでしょうか。標準化した単位では、は点がの平均より標準偏差何個分右にあるかを、はの平均より何個分上にあるかを示します。点と中心が作る長方形の面積はです。右上と左下では、両座標がそれぞれの平均に対して同じ側にあるので正と数え、残りの2つの角では負と数えます。辺を標準偏差で測るため、単位を変えたりとを入れ替えたりしてもは変わりません。図も同じ考えで描かれ、1標準偏差の長さが両軸で等しいので、破線の枠は正方形です。その右上4分の1が1単位の面積になります。
なぜは±1の範囲を超えないのでしょうか。中心を通る直線を引きます。点からこの直線までの距離の二乗はで、これらを足してで割ると、ちょうどになります。とがそれぞれに足し合わさるからです。もう一方の対角線について同じ計算をするとになります。二乗は負にならないため、です。そしてとなるのは、までの距離の二乗がすべて0になるときだけ、つまり全点が1本の右上がりの直線上にあるときだけです。
なぜまったく違う図から同じが得られるのでしょうか。は長方形を足すだけで、形は見ていません。統計学者フランシス・アンスコムは1973年、、平均、当てはめた直線がほぼ同じ4つのデータセットを作りました。1つは直線状の帯、1つは滑らかな曲線、1つは外れ値1個を除いてほぼ直線、最後の1つはたった1点が符号付きの合計の大部分を担います。長方形は、点から中心までの2方向の距離の積に応じて大きくなるので、遠くの1点が全体の面積の大部分を占めることがあります。また、全点が放物線上にあっても、対称に配置されていればとなることがあります。片側の各長方形が反対側の鏡像と打ち消し合うからです。が測るのは直線的な関連だけです。
なぜ標準化した単位で見るのでしょうか。目は点群の細さから相関を判断しますが、それは軸によって変わります。片方の軸を伸ばせば、同じ点群が細長くも丸くも見えます。Cleveland、Diaconis、McGillの1982年の実験では、周囲の軸の範囲を広げると、同じ散布図がより強く相関していると判断されました。標準化した単位なら、両軸で1標準偏差の長さが等しくなり、軸を比較できます。その図で2本の対角線に垂直な方向への点群の広がりこそ、が測るものです。ただし、目が正確になるわけではありません。縮小すれば、同じ点群はやはり密に見えます。
注目すること
- 強い相関があっても、一方の変数が他方の原因だとは言えません。両方が第3の変数に従って変わっている可能性があります。
- は、中心化したデータベクトルとのなす角の余弦です。
- から生成する点群は、作り方によって相関係数がちょうど指定値になります。無作為標本なら、その値の周りで変動します。
操作
- 1点を動かすと、点群全体の中心や標準偏差が変わることがあります。そのため、触っていない点も画面上で移動する場合があります。