確率・統計 · ベイズの定理

ベイズの定理

ベイズの定理は、原因がわかっているときの結果の確率を、結果がわかっているときの原因の確率に変換します:P(A | B) = P(B | A)·P(A) / P(B)。ここでは医学検査で集団を4つに分け、陽性者だけを残して、そのうち本当に病気の人がどれだけいるかを見ます。

この図で見るベイズの定理

ベイズの定理は、原因がわかっているときの結果の確率を、結果がわかっているときの原因の確率に変換します。P(B)>0P(B) > 0を満たす任意の事象BBについて、P(A∣B)=P(B∣A) P(A)/P(B)P(A \mid B) = P(B \mid A)\,P(A)/P(B)が成り立ちます。ここではAAは病気であること、BBは検査結果です。検査は感度Se=P(+∣病気)\mathrm{Se} = P(+ \mid \text{病気})と特異度Sp=P(−∣病気でない)\mathrm{Sp} = P(- \mid \text{病気でない})、集団は有病率p=P(病気)p = P(\text{病気})で表します。正方形はこの2つの分け方で集団を4つの比例した面積に分け、その下の証拠の定規は、同じ更新をオッズ上の一歩として示します。

正確な検査で陽性でも、なぜ病気の可能性が低いままなのでしょうか。感度は、病気の人が陽性になる確率です。陽性になった人が知りたいのは逆向き、つまり病気である確率です。求めるには、陽性者だけを残して集団全体と考え、その中に病気の人が占める割合を見ます。

陽性者の中の病気の人
P(病気∣+)=p Sep Se+(1−p)(1−Sp)P(\text{病気} \mid +) = \frac{p\,\mathrm{Se}}{p\,\mathrm{Se} + (1 - p)(1 - \mathrm{Sp})}

分母はP(+)P(+)です。少数の病気の人から出る真陽性と、多数の病気でない人から出る偽陽性を足しています。病気がまれなら、小さな偽陽性率1−Sp1 - \mathrm{Sp}でもほぼ全員にかかるため、偽陽性が真陽性を上回ることがあります。レバーが示すのはこの操作です。色のついた2つの区画が正方形全体になり、病気の区画の幅が答えになります。

検査自体は何をもたらすのでしょうか。病気の人についての式を、病気でない人についての同じ式で割ると、P(+)P(+)が消えます。事後オッズは事前オッズp:(1−p)p : (1 - p)に尤度比LR+=Se/(1−Sp)\mathrm{LR}^+ = \mathrm{Se}/(1 - \mathrm{Sp})を掛けたもの、陰性後ならLR−=(1−Se)/Sp\mathrm{LR}^- = (1 - \mathrm{Se})/\mathrm{Sp}を掛けたものです。尤度比は検査の性質、事前オッズは検査を受ける人々の性質です。定規はオッズの対数で目盛られているため、掛け算が足し算になります(計算尺と同じです。対数参照)。1つの結果は、事前の位置がどこでも一定の長さの一歩です。まれな病気で左の遠くから出発すると、LR+\mathrm{LR}^+が有限の検査では、一歩で中央まで届かないことがあります。無限大になるのは偽陽性がない検査だけです。有用な検査(LR−<1\mathrm{LR}^- < 1)の陰性は逆向きの一歩ですが、どこから始めても長さは同じです。事前に病気らしいほど、残る確率も高くなります。ただし病気の人を決して見逃さない検査(LR−=0\mathrm{LR}^- = 0)は例外です。

もう一度の陽性は何を教えるのでしょうか。病気の人と病気でない人をそれぞれ別に見たとき、繰り返す結果が独立で、毎回の検査性能も同じだとします。すると陽性のたびにオッズに同じLR+\mathrm{LR}^+を掛け、kk回の陽性後は事前オッズの(LR+)k(\mathrm{LR}^+)^k倍になります。正方形では陽性のたびに集団を再び分け、もう一度陽性になった部分だけを残します。実際の繰り返し検査では、この仮定が成り立たないことがよくあります。たとえば、たまたま検査に反応する抗体が体内にあるなど、本人に由来する誤りは繰り返されやすく、2回目の陽性が加える証拠は式が示すより少なくなります。

注目すること

  • 面積は確率、数値は期待人数です。同じ大きさの集団を何度も考えたときの平均であり、1つの集団に必ずその人数がいるわけではありません。
  • ここでは有病率を変えても感度と特異度は一定です。実際には、症状のある人とない人など、集団が違えば検査性能も変わることがあります。

操作

  • 有病率は正方形の上辺や定規の下の▲をドラッグしても変えられます。正方形の両側の三角は感度と特異度を1%刻み、ホイールは0.1%刻みで変えます。

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